2015年7月1日水曜日

東京ステーションギャラリー【鴨居玲展 踊り候え】

こんにちは^^
キタキカクの喜多理恵です。

あっという間に7月ですね。
しかも今日は数年に一度の「うるう秒」のある日だそうで……午前9時前に一秒、うるう秒が挿入されるのだそうです。

「8時59分60秒」

ちょっと不思議な気分です。



さて、昨日は京橋の越前屋さんで糸の仕入れに寄った足で、東京ステーションギャラリーに行ってきました!
東京駅直結の、大変アクセスの良い美術館です。

東京駅改修工事に伴い、2006年から閉館していましたが、2012年にリニューアルオープンした比較的新しい美術館です。

東京駅というだけでテンション上がります^^

正面どーん!


北口改札天井どーん!


今現在、東京ステーションギャラリーで行われている展示は「鴨居玲展 踊り候え」
鴨居玲は金沢出身の画家で、今回は北陸新幹線開通記念ということで、この企画展が実現したそうです。

鴨居自身をピエロに見立てた自画像が美術館入口を飾ります。


鴨居玲をみなさんご存知でしょうか。
私も彼を知ったのは10年ほど前に金沢旅行をしたとき。
たまたま手に取った美術館のチラシに彼の絵が載っていたのです。

ひと目見て、心に闇を抱えていることが分かる彼の作品群は非常に印象的でした。

その後、彼について調べたところ、作品と並んでよく取り上げられているのが彼のポートレートだと気づきます。

彼自身を写した写真が多いのです。その理由は、おそらく、すごいイケメンだからでしょうか……

心に抱えた闇と相まって、凄みのある美形といいますか………

晩年(享年57歳)ですら、これ。

ごく若い頃なんて、これですよ。(前列中央)

まるで映画俳優のようじゃないですか。


そして彼の作品はというと、自画像が圧倒的に多い!

(こちらは図録の表紙)


自分以外を題材にしていたとしても、それらはどれも彼自身を投影していると言われています。

ほとんどの絵が、眉間にしわを寄せた表情です。
酔っぱらっていても、おどけていても、嘆いていても。

鴨居玲は57歳の時(1985年)に自らの手で命を絶っていますが、それを聞くまでもなく、彼の作品群は死に向かっていっているような印象を受けます。
高いデッサン力と構成力は圧倒的で、見る者をうならせます。


ただ、作品を見ていても、彼の精神状態に同調してしまうというよりは、自己完結している彼の中の物語を外から眺めているかんじがするのです。

それは、彼が亡くなってから30年も経っているから思うことなのか、時代のせいなのか、私の年齢的なものなのか、どうなのでしょう。10代の頃ならまた見方が違ったのかな。


展示会場には、作品と並んで、鴨居玲のポートレートも並んでいたりするのですが、彼の俳優のような風貌がそう思わせるのか。
美術館自体がそのような印象操作をしているのか。


……などなど、いろんなことを考えてしまいました。
それほど彼の作品は彼自身の人生とセットになっているんだと思います。


あとですね、特筆すべきは東京ステーションギャラリーの内装の素晴らしさ!
特に二階の展示室!
なんと、1912年当時の赤レンガ(重要文化財)を内壁として使用しています!!
この、時代を感じる展示室と、鴨居玲の作品が非常にマッチしていて、素晴らしい展示空間になっていたのです。
二階の展示室の入口は自動ドアになっているのですが、そのドアが開いたときに目に飛び込んでくる風景がすごくイイ!のです!

これはぜひ体験していただきたいと思います!^^

ちなみに、らせん階段の壁も文化財の赤レンガです。



歴史を感じつつ、新しい時代のエッセンスも適度に入ってます。


素敵な美術館だったなぁ。次回の展示もまた来よう!



そして帰りは東京駅の「みはし」であんみつ食べました!

寒天ぷりぷりでおいしかったです^^