2015年8月26日水曜日

横浜美術館【蔡國強展:帰去来】

こんにちは^^
キタキカクの喜多理恵です。


さて、前回のブログのつづき。

横浜美術館にて「蔡國強展:帰去来」(←リンク先では動画が再生されるので音が出ます。ご注意ください)を見てきました。
難しい漢字ですが、「さいこっきょうてん:ききょらい」と、読むそうです。



横浜美術館は初めて訪れましたが、とてもアカデミックな雰囲気の、いかにも美術館といった外観、内装で、背筋がぴっと伸びるかんじがします。
みなとみらいの洗練された街並みによくなじんでいます。
このあたりは歩いているだけでも楽しいので、お散歩ついでに寄る人も多いのではないでしょうか。



さて、今回の企画展、「蔡國強展:帰去来」ですが、この蔡國強というアーティストは現代美術のスーパースターとも言われている、世界的にも超有名な人です。
(このページで詳しく書かれています→http://yokohama.art.museum/special/2015/caiguoqiang/summary.html

彼の名を一躍広めたのは、北京オリンピックの開会式、閉会式で視覚芸術監督を務めたことでしょうか。あの有名な花火の演出をした人です。

ニューヨークのメトロポリタン美術館での個展や、ベルリンでのパフォーマンスなど、現代美術家としての名声をほしいままにしている、その名の通りスーパースターです。

今回の目玉の作品はこちらの「壁撞き」
ベルリンの壁を題材に、見えない壁に走ってはぶつかり、ぶつかってはまた走って壁を越えようとする、99匹の実物大のオオカミ。

とても大きな部屋にテグスで吊るされた99匹のオオカミは、ものすごい迫力です。
この展示は触れることはもちろんできませんが、ごく近くまで近寄ることができ、自分も作品の中に入って、この見えない壁へ何度もぶつかっていくオオカミたちの気持ちにシンクロできます。


他にも、2014年、2015年制作の新作が展示されており、蔡國強が精力的に活動していることがよく分かります。
火薬を使って描かれた作品も多かったです。

横浜美術大学との共同作品や、この横浜美術館のエントランスで火薬を爆発させて完成させたという、非常に巨大な作品など、見せ方もすごい。

彼自身の芸術的センスはもちろん素晴らしいのですが、その作品をどのように伝えるか、どのように見せるか、この場所では何がふさわしいのか、そういう事も全て考えた上で作品が作られている印象がありました。とてもバランス感覚に優れた頭のいい芸術家なのだと思います。


そういえば、日本のアート集団chim↑pomが「ヒロシマの空をピカッとさせる」のパフォーマンスをしたとき、蔡國強は同時期に広島の原爆ドームで黒い花火を打ち上げてヒロシマ賞も取っていましたね。
chim↑pomは強く批判され、蔡國強は賞賛されたという、あの一連のエピソードは現代美術界に一石を投じましたが、日本社会での現代アートの位置がよく分かる事件(?)でした。

現代美術。。。。難しい。。。。



あ!
横浜美術館では同時開催で横浜美術館のコレクション展も見られます。

思いがけずダリの作品も見られて感動。

みなとみらい散策にはもってこいの横浜美術館、オススメです^^